開発情報


●エコグライダーGT+ V4開発状況のお知らせ −燃料残量編−
2018.08.08

毎日暑い! っていう言葉は聞き飽きているかもしれませんが、やはり言わずにはいられません。

そんな中でも、V4のガソリン残量警告を完成させてプログラムフィックスに持ち込むべく、テスト走行にいそしむ毎日です。
ガソリン残量を示すと思われる、CAN信号は解析して見つけ出したのですが、どうもそのままではつけないようです。
先ず、満タンに近いところ当たりが不正確なような気がします。確かに、その辺りはクルマにとって必要なデータではないのでしょうから無理もありません。
また、航続距離0kmとなってからの、実際の使える燃料残量にバラツキがあるという事も、悩ましいのです。

その結果は、Facebookでお知らせしましたが、ガス欠でした。
まだ見ていらっしゃらない方は、以下でご覧いただけますと嬉しいです。

CANの信号を基に残量をさせている投稿です。
https://www.facebook.com/848070651946191/photos/a.880881798665076.1073741829.848070651946191/1804607149625865/?type=3&theater

そして調子こいてガス欠して止まってしまい、ディーラーさんのお世話になった投稿です。
https://www.facebook.com/permalink.php?story_fbid=1818528814900365&id=848070651946191

実は、この後も数回ガス欠させています。(幸い携行缶のガソリン給油で復活しましたが)
CANの情報では、まだ3L残っているし、そこから給油した量から逆算してもやはりまだ残っていたはずなのにです。

このように、実際にタンク内に残っていても使えないタンク内残量を死残量と読んでいます。
この死残量は軽量化や使える量を制限されるレーシングカーでは、重要な問題です。
レーシングカーの場合は、激しいコーナリングや加減速が行われるので、燃料はタンクの壁に張り付き、漫然と設置されたポンプでは吸いきれないのです。
市販車の場合はそこまで求められませんが、ポンプの吸い口を一番低いところに設置するなどの工夫がなされてします。

しかし、最近のこの暑さだとタンクの中で燃料は気化しやすく更に泡立ってきてしまいます。そうするとポンプはエンジンに必要とされる燃料を送りこめなくなりやすいのです。
ということで、1カ月前の30℃くらいの時には、1.5L残しまで攻められた死残量は、今では4L残し位でないと不安な状況です。

というような、テストを行いながらようやく、52PHVと50プリウスのプログラムフィックスが出来ました。あとは、取説の原案を大急ぎで書いて、私は完了です。
きれいに清書してくれるのは、他の優秀なスタッフがやってくれますので。


それにしても、死残量試験はまあまあビビります。
何せ止まってしまうと、大ごとになってしまいますから。
でも、こういう試験を繰り返して、お客様に安心して使っていただくのが使命だと思っています。

余談ですが、先日本屋さんで池井戸潤作品の『七つの会議』を見つけ買いました。
池井戸潤さんは、『下町ロケット』の著者として有名ですからご存知の方も多いと思います。
また最近では、『空飛ぶタイヤ』という著書も映画化されており、見に行かれた方もいらっしゃるかと。
私は以前、衛星放送で仲村トオル主演でドラマ化されたものが結構壮絶で、本の内容が忠実に再現されていて好きでしたが。
この『空飛ぶタイヤ』は、実際に自自動車メーカーで起きたリコール隠しを題材にしてあります。社内地位の保身という目的で、お客様や周りの方への配慮をしなかった結果、大きな事故に至るという内容です。
開発の仕事は、保身に走るなんてことはあり得ませんか、どっちにしようか?っていう分岐点は嫌っていうほど起きます。その度に、いろんな角度から考えて選択する訳ですが、常にお客様の立場に立って考える、のが基本です。私は、その度にこの本を思い出さいたりするわけです。

で、暑いのに本を読んでなんかいられませんから、喫茶店で読書するというサボり方を覚えました。(内緒です)

いろんな思いを詰め込んだV4、楽しみにしてください。